たまには実務の記録も兼ねて、実際に当事務所にご依頼いただいた契約書作成の話も書いてみようかなと思います。

今回は、友人とのお金の貸し借りで悩んでいる方から借用書の作成の依頼をいただきました。

お金を貸したのに全く返済してくれない

詳細は控えますが、依頼者様はけっこうな額を友人に貸し付けていました。

しかし、友人は貸したお金を全く返してくれません。

実は依頼者様はお金を貸し付けるとき、きちんと借用書を巻いたわけでもなければ、返済期日や利息などを事細かに決めたわけでもありません。
それをいいことにお金を借りた友人は、返済を催促してものらりくらりと逃げるのだそうです。これは困ったと。

そこできちんと借用書を作ろうと思い、当事務所に白羽の矢が立ったというのが、ご依頼いただいた経緯です。

最大利息と最大遅延損害金の設定

依頼者様は友人に対してかなりご立腹でした。
なので、貸し付けたお金の利息は、個人間で適用できる最大利息を設定してほしい、そして遅延損害金も最大値でお願いしたいと言われました。

利息を高く設定すると、借りた友人が納得せず借用書に署名してくれない可能性があるので、常識的な額に抑えた方がいいとアドバイスさせていただきましたが、依頼者様の意思はかたく、「絶対最大利息でお願いします」とのことでした。

利息制限法によれば、利息の上限値は以下のとおり。

第一条 (利息の制限)
金銭を目的とする消費貸借における利息の契約は、その利息が次の各号に掲げる場合に応じ当該各号に定める利率により計算した金額を超えるときは、その超過部分について、無効とする。
一 元本の額が十万円未満の場合 年二割
二 元本の額が十万円以上百万円未満の場合 年一割八分
三 元本の額が百万円以上の場合 年一割五分

貸付金額が100万を超えていたので、設定できる利息の上限は年15%ということになります。
なので、希望通り最大利息の15%を設定しました。

遅延損害金は、法律上賠償を予定するペナルティ的な性質ものです。
この遅延損害金の額も利息制限法で定められており、設定した利息の1.46%までになっています。

第四条 (賠償額の予定の制限)
金銭を目的とする消費貸借上の債務の不履行による賠償額の予定は、その賠償額の元本に対する割合が第一条に規定する率の一・四六倍を超えるときは、その超過部分について、無効とする。
2 前項の規定の適用については、違約金は、賠償額の予定とみなす。

利息15%に1.46%を掛けると21.9%になります。

ただ、利息制限法第7条により、「賠償額の元本に対する割合が年二割を超えるときは、その超過部分について、無効とする。」とあるので、実質的な遅延損害金の上限は20%までなので、20%の範囲に収まるよう、遅延損害金を設定しました。

借主からしたらかなり重い負担ですが、依頼者様の希望なので上記で利息と遅延損害金を設定しました。

公正証書の作成について

より返済を確実にするために、貸主からの請求があったときに公正証書の作成ができる旨の条項を設定してしました。

通常、借主が返済を怠る場合、訴訟などを提起する必要がありますが、裁判となればお金も時間もかかります。
そこで、公正証書を作成できるようにしておけば、公正証書は裁判なしで即座に強制執行が可能となります。

依頼者様のご友人が返済が度々怠るとのことでしたので、念のために公正証書の規定を設けた次第です。

おわりに

当事務所は借用書の作成及び、様々な契約書の作成に低価格で対応しておりますので、ご入用の方はぜひご依頼お待ちしております。

メールやLINEのやりとりだけで契約書を作成いたしますので、簡単かつスピーディーにご対応可能です。
皆様のご依頼お待ちしております。